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頭の中、どのくらいボート(部)でいっぱい?

こんにちは。もうすぐインカレクルー紹介のブログが始まると聞き、その波が来る前に引退ブログの流れに乗りたいと焦る、4回生主務の上野はる夏です。

得意の滞納癖で、主務という肩書きがついてから最初のブログです(反省)。そして最後のブログでもあります。最後とか引退とか、そういう言葉は変にかしこまってしまいます。

1年前、そして今も、私は必要以上にこの肩書きに対して重みを感じているのかもしれません。私はこれまで後輩という立場から、強い主務、仕事ができる主務、優しさの象徴主務、と三者三様の働き様を見てきました。そして1年前、欲張りな私は、強くて仕事ができて優しい主務になるぞと意気込んだのでした。

結果から言うと、なりたかった像に自分がなれたのか、今なれているのかは自信がありません。振り返れば、やらなければならないことに追われ、やりたいこと・やりたかったことが忙殺されている日々。どれも「チームの日本一」という目標から逆算して考えると、その時の自分がやるべきことであり、正しかったのかもしれませんが、ああすれば良かったというポイントはちょくちょくあります。

その中でも私が強く感じているポイントは、色々な人と、色々な場で、もっと思考の交換をすれば良かったということです。言い換えれば、いわゆる積極的なコミュニケーションとも呼べるものなのかもしれません。これは普段意識することは少ないですが、京大ボート部に所属している人は意外とちゃんと考えて生きていて、そしてそれの言語化が上手な人が多いように感じます(本当はボート部に限らずなのかもしれませんが)。それは、何気ない会話から垣間見えたり、ミーティングで思考整理が追いつかない速さで議論が進んでいく時、みんなのブログを読んでいる時、周囲はキレイに考えが言葉になっていてすごいなとつくづく思うのです。

私自身、何かしらの変化が必要だと感じるのは、こうした他者からの思考の共有がきっかけになることが多かったです。「こうした方が良いよ」とか、「ここダメね」とか指摘をされるより、「僕私はこういう考え方をしている」という、その人のフィロソフィー的なものを知った時の方が、心を動かされてきたような気がします。

ボート部でスタッフとして活動してきた4年弱、自分の働きが直接的であれ間接的であれ、何らかの形で日本一という目標に結びついていると信じながら過ごしてきました。それでも、明確に数字として働きが現れるわけではないので、これで良いのかな~と不安になったり、誰かに認めてもらうために仕事をしているわけではないのに、誰かに頑張りを伝えたいという気持ちになることもありました。スタッフの仕事には、多くの人から見える仕事と、あまり外からは見えない仕事があり、前者の場合は、頑張っている、偉いなどと声をかけてもらえますが、後者の場合はモチベーションの維持が難しい、という話は1回生の時からずっと、何度も配置中に聞いたり話したりしたことです。頑張っている自分を知ってほしいって、誰も認めてもらうためにボート部にいるわけじゃないんだから本来あるべきスタッフの姿とは全然違うように思えて、ちょっとでもそう思った自分が醜いな~というジレンマの中にいた時、何気ない思考の交換で、気づいたことがありました。その人が言うには、スタッフも見えないところで頑張っているし、それと同じように選手も見えないところで頑張っていたり、誰も知らない努力があったりするんだからお互い様、認めてほしいって思う方が傲慢だ、みたいな感じだったと思います(ちょっと曲解してるかも)。その考え方は当時の私にはかなり響いて、長年スタッフが抱えるこの悩みと、私なりの向き合い方がわかったような気がしました。

こないだの監視終わり。すごいアートを見た

スタッフに限らず、選手においても、というより人間は、あの人は頑張っている/いないと話したり分類したりしがちです。何をもって頑張っていると定義するのかは難しいですし、頑張るの基準は人それぞれなので、人に頑張りを強制することは私は積極的にはできません。でも、チーム全体として頑張るの基準が高くなれば今京大ボート部が抱える課題みたいなのはちょっとずつ良い方向へ変わっていくのかもしれません。そのきっかけが、もしかしたら思考の交換にあるのかも、と感じています。

”頑張る”という言葉がゲシュタルト崩壊してきました、、やっぱり言語化は難しい、、何だか思っていた着地点と違う話になってしまいました(ブログあるある)。

この4年間、何度か訪れた、もう辞めようを、もう少し頑張るに変えてくれたのは、おそらく同期への多大なる愛と、辞める勇気も覚悟もなかったけど責任感はあった自分自身で、今思うと、辞めずに最後まで続けてきて良かったなと思います(この時期の4回生みんな言ってる気がする)。何が良かったのかはわかりませんが、何か一つに熱中する気持ち、チームの日本一のために何ができるのか模索し続けること、大学という大きい相手との戦い方、早起きする意志など、得たものはきっと多かったです。3年前、当時3回生だった先輩が当時4回生だった先輩に、「この4年間で得たものと失ったもの、どちらが大きかったですか」と聞いて、「良くも悪くも得たものは多かった(満足気な表情で)」と答えているのをエッセンを作りながら横目に見ていて、最後にそう思える4年間にしたいな~とぼんやり思ったような記憶があります。確かに、もう二度とない4年間でした。

とりあえず私はインカレ最終日に三菱艇庫前で同期みんなで写真が撮るのが夢です。毎度集合写真を撮る度、先に帰る人がいたり、お腹が痛い人がいたり、TOEICを受けている人がいたり、実は1回生から通算で全員そろった写真が一枚もありません(衝撃)。

すっかり引退モードですが引き継ぎとインカレの応援ならびにサポートは頑張りますので、どうぞよろしくお願いします。

4回生 上野はる夏