お久しぶりです。4回生漕手の畠山智義です。
もう引退まであと少しです。4年間あっという間でした。1年で数えるくらいしかレースをしないので短く感じるのも当然かもしれません。引退した後の生活はちょっと想像できませんね。最後なので自分が目標としてきたことについて振り返ってみようかなと思います。
僕は毎年テーマを決めて部活に取り組んできました。
これは1年という長いスパンで、自分がどう変わったのかを振り返るための指標でした。練習やレースの結果に一喜一憂しがちですが、そこに囚われすぎず、一貫した目標を持つためにテーマを設けてきました。
昨シーズンは離脱なくやり切ることをテーマとしていました。
1回生の冬から約1年間、怪我と付き合いながら練習やレースに臨む生活を送りました。
原因は、秋季で無茶をしてしまったこと。怪我を抱えたままでは満足に追い込むことができず、無意識のうちに体をかばってしまい、最終的に新人選後に長期離脱を余儀なくされました。
何もできない期間ほど苦しいものはありませんし、冬季に個人として成長できる大事な時間を失ったことは、翌シーズンの伸びにも大きく響くと思います。
この経験から、「怪我で離脱せず、限界を見極めながら追い込む」ことを目標に掲げました。
結果的に、このシーズンは離脱することなくやり切ることができました。
ただ離脱せずシーズンをやりきっただけでなく、どんな漕ぎが体に負荷をかけるのか、自分の悪い癖は何なのかを考えながら練習するようになり、少しずつ自分の身体と対話する感覚を持てるようになりました。
理想的な体の使い方を模索し、様々なトレーニングを取り入れる中で、新しい発見も多くありました。
今シーズン、次のステップとして掲げたのが「最低限の質を上げる」というテーマでした。
絶好調のときは、練習すればするほどタイムが伸び、気持ちも前向きになります。
しかし、体調がすぐれないときや、気持ちがどうしても乗らないときもあります。そうしたときに、ただこなすのではなく、その中で最大限成長するにはどうすればいいかを考えて練習に臨むことを目指しました。
成果がすぐに表れないと苦しいですが、苦しい中でも工夫し続けることが、必ず先の成長につながると信じてやってきました。
ボートはレースがぶっつけ本番。そこまでの過程は自分との戦いであり、苦しい中でどれだけ自分と向き合えたかが、最後の結果に表れると思っています。
このようにテーマをもって取り組んできたわけですが、それは全て日本一になりたいという思いからです。
自分は日本一を目指すボート部に惹かれて入部を決めました。当時は「自分ならなれる」と信じていましたが、実際はそんなに甘いものではないとすぐに気づきました。まずは部で一番にならなければ、日本一などありえない。そう痛感しました。
これまで勝ったレースは新人秋季の一度だけ。そのときは負けるわけにはいかないと強く思っていましたし、実際に先輩の力も借りて勝つことができました。
しかしその後は、長崎での東大とのレースや2回生の全日本などで相手が格上だから負けても仕方ないと思うようになり、負けに慣れてしまった感覚がありました。
もしあの秋季で負けていれば、もっと悔しい思いをしたはずです。実力通りの結果に納得してしまってはだめだ、と思います。
1回生のインカレで庄司さんが「2位ではだめなんだ」と言っていたのを覚えています。
当時は何がだめなんだろうと思っていましたが、今はその気持ちがよくわかります。
「何としてでも勝つ」。
そのためにやれることはやってきましたし、去年負けてからずっと、その思いだけを胸に練習してきました。
ラストインカレで、秋季以来となる2勝目を勝ち取ります。
応援よろしくお願いします。
