こんにちは、こんばんは。主将の庄司です。最近履いていなかった靴を久しぶりに履こうとしたら中からワイヤレスイヤンホホが出てきました。2年半ほど前にバイトの出張先(名古屋)で失くしたと思っていたのですが、多分鞄の中に入れてあったこの靴の中に絶妙に入り込みそのまま放置されていたのでしょう。見つけると同時に「最近」という概念を2年半前にも適用している自分に結構な衝撃を受けました。
2年半前といえば2020年3月でコロナが流行り始めた時です。出張先の某ウマ渕では「今週はコロナというものが流行ってるらしいので、来週来ます」という生徒さんがほとんどで、座っているだけでお金がもらえて嬉しかったです。ちょうど無くしたイヤホンと同じくらいのお給料でした。その時はまさかこんな大事になるとは思っておらず、当時主将だったやまでぃーさんの掛け声に合わせて「コロナに勝つぞー」と大艇庫前に全員集まり密になって叫んでいた記憶があります。
今回は自転車ではなく自分の思いとかを書きます。お察しの通り長いよ。そういや自分が1回生だった時の主将がまだ現役で漕いでいらっしゃる(本当にありがとうございます)ので、本当に自分が主将なのか?と思ったりするのがちょっと面白いです。
私たちが憧れて入部した、「日本一を目指せるボート部」でありたいです。もちろん自分が日本一になりたいですが、それ以上に今とこれからの京大ボート部員が日本一を目指そうと思える、そして目指そうと思ったときに実現できるような環境を整えるべきだと感じています。私たちが1回生だった時の先輩たちはとても強くてかっこよく、日本一というのは夢ではなくて手の届く範囲の現実的な目標だと思いました。そういう状況を作るために必要なのは実績です。実績を得るためには部員一人一人が自分自身を強くすることが必要です。私は主将誰にすんねんミーティングで「ゆくゆくは吉田正和に勝ちます」と言ったのでとりあえず目標はまっさに勝つことです。インカレ準優勝の経験者やし良い目標だと思います。
怪我で全日も出られず3ヶ月くらいボートを漕げなかった時は自転車をほぼ毎週300 kmくらい漕ぎ、毎日寝る前にイマジナリーローイングをし、サプリメントも利用して筋肉が落ちないように工夫した結果ローイング技術は上達し、体重は83 kgから70 kgになりました。体重を70 kgにしたのは腰の負担を減らすため70 kg以上になったらダメだよとお医者さんに言われていたからです。みんなには体重を増やせと言っておいて自分は痩せていくのは気持ち悪かったですが、将来も自分の足で歩きたいので許してください。てか漕いでないと変な癖も無くなるので割とありな練習方法だと思いました。さすがに70 kgでボートを漕ぐのはしんどかったので5月から8月にかけてこっそり74 kgに増量しました。多分下半身の筋肉が増えているのでセーフです。フィジカルはエッセンがなくても自分の努力でどうにかなることを実感しました。それはそうとしてエッセン食べたい。復帰後の関西選手権では3位でしたね、残念。新人の時に新人コーチの福森さんがおっしゃっていた「2位で喜んでるやつと同じ艇に乗りたくない」というボート部マインドが自分のオリジンみたいなものになっているのでなんか絶妙な気持ちでした。
最後のインカレ選考ではエルゴもペアマトもまっさに勝ち、対校M4-のシートを奪い取ったので公約実現です。ただその時の2000がまっさのベストでは全然なかったので勝った気はしません。自分のスコアも日本一レベルかというと遠く及んでいませんが、いよいよ日本一に挑戦するところまできたような気がしてアツかったです。新歓の時によく言っているアツいとはまさにこのことだなあと。そういや昨年度に買ったはずの新艇がまだ届かなかったので、今年度も東レから2009年製造の鷭をおかりしています。購入から一年たっても届かないとは一体、、
ここまでは腰が逝ったこと以外は大きな問題はありませんでしたが、インカレ3週間前にコロナにかかりました。私は実家に住み、祖母の介護もしているのでコロナに罹らないように出来うる対策を全てしてきたつもりでしたが、無症状だった祖母から感染しました。主将としてどうなんだと思いますが、部員との食事もその時の同じクルー以外としなかったのにまさか家庭内感染とは。院試も追試となり日程も不明で、練習に参加できるのは戸田入りするまでに4日ほどだろうというあまりに厳しい状況となりました。自分が思い続けてきた「日本一を目指せるボート部」を実現するためには、日本一を獲れる可能性を最大限にしなければなりません。体調がどうなるかもわからない私を待って練習を止めるよりも、まっさを乗せて今年の全日クルーと同じ編成で練習を積み、インカレに臨んだ方が日本一になる可能性が高いと思ったこともあり、インカレクルーは新たに編成されました。多くのクルーに悪影響を与えてしまい申し訳ない。私は一足先に引退することになりましたが、これが自分の、そして部の目標達成のための最適解だと思っています。
怪我をして漕げない期間にできることを積み重ね、様々な問題に対処しより良く練習できる環境を勝ち取るために色々して、インカレでは対校クルーのシートを勝ち取りそこからも圧倒的な成長を実感していたのに最後の最後でうひょ〜って感じです。たっぴーが色々と思いつめて体調を崩したり足を攣ったりして結局一回?しかしていなかったクソしんどエルゴメニューも木戸と共にやり切ったのに!なんか冷静に考えてみると「こいつ気の毒やなあ〜」って自分でも思います。練習のしんどいところだけして大会そのものには出ないってマゾヒストが過ぎるでしょう。もちろん部に迷惑をかけてしまって申し訳ないと思っていますが、食事の介助もしているのでさすがにこれを防ぐのは無理、もしくは人に依頼するだけのお金が要ります。将来は死ぬほど金持ちになるぞ。
私の近況を除くと、今の京大ボート部は対校エイトこそ出せませんでしたが間違いなく「日本一を目指せるボート部」です。ほとんどコーチのおかげですが。対校フォアだけでなくペアも調子が良さそうで、女子対校ダブルもすごそうです。M4×は昨年度から同じクルーなので楽しみですね。今年はフォアで優勝して、来年はついにエイトでしょうか。まだレースまでは時間があるのでもう一伸びして、今年度のスローガンである「今、勝つ」を体現してきてください。俺が体現するつもりだったんだけどな。全日同様応援しかできないのは非常に歯痒いですが、みんななら勝てると信じています。コロナだけにはならないでね!
最後に、私は漕手ですが今年度の全日にもインカレにも出ていません。スタッフのようにみんなのサポートをしてきたわけではありません。みんなにこの練習をしてくださいと言いながら怪我でできず、自分が思っていた主将っぽいこともあまりできなかったです。ただただ一年中ボートと部のことを考え色々やり、大会に出ないのに練習に熱心に取り組んでいた謎の人です。文章的にはこの後「だけどこんなすごいことをしていました」と書きたいので探してみましたが胸を張って言えるようなことはありませんでした。自分で思っていたよりも、学生生活の全てをボートにかけていたようです。その分と言ってはなんですが、このインカレとOx盾に出るみんなの勝利を誰よりも願っています。