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勝ちたい。

山紫クルー紹介の時の写真。まひろさんの髪の毛と実は合成だったりするまほさんが素敵です。

 勝ちたい。秋季大会で私が乗るかもしれなかった山紫(W4×+)が優勝したとき、自分の中にあったこの気持ちを思い出しました。

 こんにちは。1回生漕手の中村純奈です。今回の秋季大会、私はまだ太もも裏の痛みが引かず、残念ながら出場することができませんでした。秋季大会までの期間、精神的に辛いときもありました。今回のブログでは、前回のブログから今回のブログにかけての日々と、自分の感情についてありのままに書いてみようと思います。長文になってしまいましたが許してください…

 9月下旬。一度シングルで乗艇してみたのですが、また痛みが出てしまい、再び陸トレの日々が続きました。一人艇庫の中でバイクやコアトレ、ウエイトをやる日々は楽しいとは言えず、何で私は石山までこんなことをしに来ているんだろうか、と考えずにはいられませんでした。少しずつ季節の移り変わりを感じる中、そして、1回生の仲間が乗艇の経験を積み成長していく中、一人夏に取り残されているような気分でした。

 10月上旬。京都レガッタがありました。京都レガッタも出場することができませんでした。石山では一人で陸トレをした後、山紫のミーティングを黙って聞いて、自分のいる意味はあるのかな、と考えることもしばしばありました。このとき、山紫は優勝しましたが、やっぱみんなすごいな、と思うくらいでした。

参加賞(参加できなかったけど)。色素薄め。

京都レガッタの前にまおが腰を痛めてしまったようで、京都レガッタ後からはまおと一緒に陸トレをすることになりました。いつも一人でやっていた陸トレを誰かとやることができるだけで、一人だとつまらないと思ってしまうようなトレーニングも楽しんでできるようになりました。

 10月下旬。シングルで乗艇しようとしたのですが、沈しました。自分の経験の浅さを痛感しました。でも、経験の浅さを痛感しても乗艇すると痛くなってしまう。頑張りたいのに頑張れない。そんなもどかしい気持ちが自分の中で渦巻いていました。

 11月初旬くらいに秋季大会の出場メンバーが発表されました。私とまおは出場しないことになりました。早く怪我を治して、冬季にしっかりと先輩方に混ざって練習できるようにと新人コーチの方々が考えてくださった結果です。まだ乗艇すると痛みが出る状態で、大会にでられるような気がしなかったというのが正直なところで、秋季大会に出場することができないと聞いたときは、何か大きな感情が湧いてくるわけでもなく、まぁそうだろうな、という気持ちでした。

 秋期大会に出場できないと聞いてからは、新人コーチのまほさんが私たちの陸トレを見てくれることになりました。ここからは、さらに陸トレが楽しくなっていきました。特に、いつもトレーニングのはじめにバイクを強度軽めで30分やっていたのですが、そのときにまほさんとまおと他愛のない話で盛り上がったのが楽しかったです。こんな感じで楽しんでトレーニングできるようになってから、もう少し頑張ってみよう、という気持ちが生まれてきました。

 そして、秋季大会。山紫は優勝しました。頑張ってきた仲間をいつも見てきたので、とても嬉しかったです。それと同時に、様々な自分の感情に気づきました。試合に出られないことが悔しいということ。今まで自分が辛かったということ(9,10月はこれにあまり気づいておらず、「練習つまらないなー、早く怪我治らないかなー。」くらいしか自分の中で言語化できていませんでした)。そして、山紫の優勝のおかげで、入部のきっかけを思い出しました。

やっぱ山紫は強い。

 私が京大ボート部に入部したきっかけは、雰囲気が良かったから、というのもありましたが、一番は「勝ちたいから」でした。京大合格後の私は、浪人して京大に入れたはよいものの、自分に自信を持てずにいました。高校の時に味わった頑張っても報われないたくさんの経験が、劣等感として私の中に残っていたからです。そんな中、ボート部の新歓に参加しました。他団体の新歓にも参加しましたが、ボート部には、自分を変えてくれそうな何かを感じました。もう一度頑張って、試合ではもちろんのこと、過去の自分に、弱い自分に、勝ちたい。そう思わせてくれました。私の中の弱い自分は、高校時代の苦しい経験を思い出して、どうせ自分が頑張っていると思ってもそれは頑張ったつもりになっているだけで、また高校時代と同じことを繰り返すんじゃないの。と言いました。しかし、私の中のもう一度頑張りたいと思っている私は、やりきった後に、新しい景色が見えているかもしれないし、そうでもないかもしれない。でも、それはやりきってみないとわからない。そう言いました。私は後者の自分を信じました。こうして私はボート部に入部したのです。

 今、私は過去の自分、弱い自分に勝てているのかはわかりません。自分に自信が持てるようになったかと言われるとまだな気がします。でも、ボート部の素敵な仲間に囲まれて、少し強くなれたような気がします。まだ怪我も完全に治ったわけではなく不安はありますが、もう少し、入部当時に信じた自分を信じてみようと思います。

 最後になりますが、初心を思い出させてくれた山紫のメンバー、一緒に陸トレ頑張ってくれたまお、陸トレ組の面倒を見てくれたまほさん、いつも練習や仕事に励んでいて私も頑張ろうと思わせてくれる漕手やスタッフの皆さん、そして、支えてくれているすべての方々、本当にありがとうございます。

 かなり長文になってしまいましたが、読んでいただきありがとうございました。

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