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「その1円をけずりだせ」

   新春の陽光に照らされて、初春の風にゆられながら桜の息吹がひたひたと迫って来る季節となりました…

   どうもこんにちは、今月から一身上の都合で漕手からスタッフに転向したボート部1回生の江島健太です。監視艇の上から眺める瀬田川は、ボートを漕いでいた時とはまた違った顔を見せています(バイパスの上に送電線が通っているなんて今まで気づきませんでした)。スタッフの業務は覚えることが非常に多く、ビデオのアップロードの仕方を覚えるのにも一苦労です。

   さて、瀬田川は多くの山と琵琶湖に面していることも災いし、2月も半ばに差し掛かった昨今は強烈な寒波が弊部の艇庫を襲っています。しかし、旧暦によると春は1月から3月の間であるため、2月は春の真っただ中であります。あなたは、何をもって春の訪れを感じるでしょうか。髪をなでるように吹きつける強風春一番、大地が息を吹き返したことの表れのようにも思える新緑の芽吹き、あるいは1年間で最も強いこの寒波こそが春を待ち望む我々に課せられた最後の試練であると捉える人もいるかもしれません。私の場合は、春の訪れを感じさせるものといえば、一にも二にも三にも箱根駅伝の開催です。箱根駅伝のイメージと聞かれると、新年の到来を象徴すものだと答える人は多いと思いますが、旧暦を前提に考えているのだろうか、箱根駅伝の実況の中には「初春の日差しを浴びながら~」や「新春の陽光に照らされながら~」といった春を想起させるようなフレーズが多く含まれます。そのため、陸上部出身でもないのに箱根駅伝を愛してやまない私はこの1月2日・3日に春の訪れを感じるのです。

   私は、箱根駅伝を含む大学駅伝においては東洋大学を熱狂的に箱推ししている信者です。今年の箱根駅伝は駒澤大学が圧巻の走りを見せ総合優勝を果たした一方、我が推し東洋大学は10位に沈みました。その時の悲しみと落胆の情念は1か月以上経った現在でも心から消え去ることはありません。私が東洋のファンになったきっかけは、今から5年前、当時3連覇中であり、優勝候補筆頭と言われた青山学院に対して1区から一度も首位を譲らない完全な往路優勝を果たしたことであります。その後東洋は復路で青山学院に逆転されましたが、その衝撃は今でも昨日のように思い出すことができます。その後、東洋大学だけでなく箱根駅伝全体を好きになり、授業に集中できないときやなかなか寝付けないとき、暇さえあれば各大学のオーダーを考えたりしています。また、岩田君が他に誰もやっていないようなシングルスカルのゲームアプリを嬉しそうに楽しんでいるように、私も他に誰もやっていないような駅伝のゲームアプリを入れて大いに楽しんでいます。さらに、今年の箱根駅伝に出場した4年生の代は、僕が箱根駅伝に本格的にはまりだした2020年に1年生だった代であり、初めて4年間見続けた代でもあったので特に思い入れが強く、レース中に4年生というテロップが出るたびに泣きそうになってしまいました。

   東洋大学駅伝部には「その1秒をけずりだせ」というスローガンがあります。これは2011年、当時3連覇を懸けた箱根駅伝で東洋大学が早稲田大学に21秒という史上最少の差で敗れた際、一人2秒、せめて1秒差を縮めていれば結果が変わっていたかもしれないという悔しさの下に掲げられたものです。私はこのスローガンに非常に感銘を受け、何かをあきらめかけたとき、この言葉を思い出して自分を奮い立たせるようにしています。例えば、試験前日の夜に眠たくなった時、試験でいい結果を残すためにこのスローガンを思い出し、あと少し集中して頑張ろうとするようにしています。筋トレで苦しくなった時、あと1回頑張れば次につながると考えてその1回を頑張るようにしています。この場合は「その1回をけずりだせ」でしょうか。また、私は普段塾講師のバイトをしていますが、長期休み期間中は工事や搬入などの単発バイトも入れています。お金をもらっている以上、当然バイトは楽なものではありません。特に部活から帰ってきた後のバイトは、疲労困憊になることが多いです。しかし、契約上、業務の質を落とすことはなかなか許されません。そのときは、私は給料を秒数換算にして1秒あたりにどれくらい稼いでいるかを考えるようにしています。そうすることで自分の労働に対する見返りがありありと感じられるようになり、次の1秒、さらに次の1秒頑張ってやろうと思うことができます。すなわち「その1円をけずりだせ」です。一人暮らしを始め、自分で生活費を考えながら節約したり、バイトをしてお金をためながら生活したりしていると、お金の重要さやありがたさをしみじみと感じるようになりました。高校時代何気なくお小遣いで買っていたファミチキを、大学生になると「200円…?え、高すぎね」と思うようになりました。モノを買うために金を得る、金を得るために労働するという人の消費・労働行動、すなわち現代日本の資本主義体制は私の身の回りにまで浸透しているのだと身に染みて思い知りました。そのため、私は労働の対価として賃金を払ってくれる雇い主に感謝をします。感謝の結果、その雇い主に貢献するために汗水たらして働きます。そう、1秒たりとも無駄にせずに。この観点からも「その1円をけずりだせ」のスローガンが担保されます(これが社畜への入り口の第一歩なのでしょうか…)。

   「言うは易く行うは難し」という中国発祥の四字熟語がありますが、これは本当に的を射た言葉だと思います。2000mエルゴにおいて最後にスパートで絶対に上げてやると言っても、終盤に差し掛かった段階では足に力が残っておらず、スパートでタイムをあげることが叶わず、ずるずると引き下がってしまった経験は多かったです。勉強にしても、10時間勉強してやると言っても実際は漫画・動画などの機能を有するこの板きれの誘惑にかられて5時間も満足に勉強できず、筋トレにしても、なにかと腹が痛いだのトイレに行きたいだの理由をつけて休憩の時間を長くとろうとします。しかし、そこで踏みとどまってこそ能力的・人間的な成長があると私は考えます。大学4年間における最大の目標は、私にとって司法試験の合格でありますが、裏テーマとして、道端にある妥協という名のベンチに座ることなく、箱根駅伝ランナーのように次のステージに立つ自分に対して能力的・人間的な成長という名の襷をつなぐことを掲げています。また、せっかく箱根駅伝にはまったのでマラソンにも挑戦してみたいですね。

 

ご精読ありがとうございました。

 

 

↑監視艇の上から撮った別の監視艇

↑冠雪した艇庫前

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