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ナイトダンサー

4回生漕手の吉田紘子です。女子の主将をやっています。

私は夜が苦手です。昼ならすぐ寝れるのに、夜になるとなぜかなかなか寝つけないからです。

寝れない時はラジオや音楽を聴きながら寝落ちするのを待ちます。

ところがこの前合宿所でノイキャンイヤホンをしたまま寝落ちしてしまい、夜中にイヤホンの充電が切れてスマホ本体から大爆音が流れてしまいました。部屋中のみんながその音で一回起きたそうです。自分以外の人にそれをやられたらマジでキレてたと思うのでその日同じ部屋で寝ていた方々にはご迷惑をおかけしたことをお詫び申し上げます。それ以降は有線イヤホンで寝るようにしています。

夜に弱いのは小学生の時からで、その日にあった出来事を振り返ってこうすれば良かった、ああすれば良かったと後悔して寝れなくなるのが夜の習慣となってしまっていました。

その甲斐あってか(?)最近はほとんど後悔なく生きていますが、毎日生きるのに必死で、明日も頑張らなくては、と思うと明日を迎えるのが怖くなって眠れなくなるときがあります。

忙しくなればなるほど、プレッシャーがかかればかかるほど、眠れなくなります。酷い時は電気を消したあと数時間眠れない夜を過ごします。

静かな夜はこんなにも美しいのに。

そんな、夜にもがき苦しむ姿を題にして、必死に努力して夢を追いかける姿を描いた曲があります。

秋山黄色の「ナイトダンサー」という曲です。

秋山黄色の曲をたまたま初めて聴いた時にその音楽的センスと才能に衝撃を受け、それ以来何曲か聴いていました。音楽自体が素晴らしいので歌詞はあまり意識して聴いていませんでしたが、ある日たまたま「ナイトダンサー」の歌詞が耳に入ってきて気になって調べてみました。自分のボート部人生そのもののを映し出したような歌詞でした。好きすぎてしばらくは1日に5回くらい聴き込みました。

せっかくなので曲の序盤を紹介します。

一度止まればもう二度と
走り出せないような気がして
今を必死に生きていた
勇気と無謀はきまってよく似ていた
それでも僕は
「これしかない」って思えたあの日を捨てずにいる
勇気で掴むまで 全てが無謀な挑戦だ
作詞作曲:秋山黄色「ナイトダンサー」歌詞抜粋

なぜ夜寝るのが苦手なのに4:00起きするボート部に居続けるのか?
なぜ病院実習期間中にも週6で練習し続けるのか?

それは「『これしかない』って思えたあの日」が忘れられないからです。

二回生の東大戦で、圧勝してふくみさんと叫んでハイタッチして水面を叩いたあの日。

三回生のインカレの敗復で1000mを過ぎてからジリジリと差を詰めて逆転勝利で最終日を決めたあの日。

四回生の朝日レの予選ではらまおのライバルに勝ち、喜びを分かち合ったあの日。

東大戦。初めてボートの醍醐味を知れた瞬間だった。
この前の朝日レ。後ろで1人でガッツポーズしてたらグーの手をガシッと掴まれた。次はパーにしておく。

「この感情を味わいたくて、あんなにもがき苦しみながら毎日頑張ってきたんだ!」

その瞬間は、何にも代え難い、体の底から湧き上がるような喜びと達成感があります。

そして、これがもしさらに大きな舞台だったら、そしてさらに高い順位だったら、私はどんな感情を抱くのだろう、と思うのです。

「次はもっと大きな舞台で!高い順位で!」

結果が出なくて苦しい時も、日々の努力が辛くて立ち止まりそうな時も、自分にはまだ伸び代があって、必ずこの先またブレイクスルーできる時がくるはずだ、と信じることだけは決して辞めずに走り続けてきました。

今は関選優勝を目指して日々練習しています。関選も原とダブルを組むことになり、最近は個々のレベルを上げるべくシングルに乗っています。乗艇での並べだけでなく、懸垂対決をしたり、エルゴでの瞬間最高艇速対決をしたり、とにかくあらゆるところで競っています。それぞれ得意分野苦手分野があるので勝ったり負けたりします。彼女はシングルが得意で、簡単には勝てないですが、「そのうち絶対追い越す!!」と本気で思っています。彼女のことは1人のボート選手としてリスペクトしていますが、だからこそ本気でぶつかり合えたら私たちはどれだけ強くなれるでしょうか。

インカレまでに最強のクルーを作れる選手になれるように頑張ります。

最強のクルーで、最高の舞台で戦える日をイメージして今日も頑張って寝落ちします。

おやすみなさい。

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