お久しぶりです!4回生スタッフの梅木です。
4回生になって、去年は家族よりも一緒の空気を吸ったと言えるほど大量の授業を受けた看護コースの約30人全員で受ける授業が終わり、これからは保健師の授業と卒論のためのゼミくらいです。現在は、看護学生として最後の看護実習中です。(これが投稿される頃には無事に終わっているはず!)ここにくるまでにみんなに幾度となく助けてもらったし、支え合いながら実習を乗り越えてきた感があるので、まあまあさみしいです。
さて、今回の実習でたくさんの高齢者の方とお話しさせていただく中で一番印象に残った話を書こうと思います。
ある90代の女性に今までの人生で一番印象に残っている場面を聞きました。
私はお子さんやお孫さんが生まれたときかな~なんて予想していました。
出てきた答えは、
「東京で大空襲に遭ったとき、私は父親と二人で家にいました。空襲が来て、私は一人で遠くの方に逃げました。大きな空襲だったのでどこかもわからずずーっと遠くへ。空襲が終わった次の日、家の方に行こうとして、焼け野原になって何もないところをいろいろな人に聞きながら歩いていきました。そしたら家の前に女学校があったんですけれど、その石垣が見えてきました。そしたらね、父親がぼーっと突っ立ってたんです。死んだと思った父親が。立ってたんです。」
「息子が生まれたりしたことはもちろん嬉しかったですけれど、人生で一番と言ったら空襲の後に父親があそこに立っていたことです。だから、戦争は絶対だめ。」
このような話を涙ながらに話していただきました。私も涙が出そうになりました。
この話が一番印象に残ったなんて、もしかしたら看護とは関係が薄い話かもしれません。
でもなぜかどこかにこの話を書いておきたかった。
高齢になると、認知機能が落ちたり身体的にも障害を負ったりして、若い人にお世話になっているとおっしゃる方がとても多いです。しかし一方で、私たちに想像できないくらい長い年月を生きてこられて、様々なことを経験された方とお話しできて学ぶことができる機会は今しかないと感じました。
実習は、まあまあしんどいこともあったし、何ができたと言えることは少なかったけれど、健康に生きている私が普段出会えないような方たちと接する機会をいただけたことは、私の持つ考えに強く影響したなと思った出来事でした。