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憧れのバトン

みなさん、お久しぶりです。個人ブログは2年弱ぶりの投稿となります3回生漕手の石田ゆきです。

早いもので3回生シーズンも終わってしまいました。ここから(国スポ、京都レ、コースタル、大阪レガッタ、HOSに…と下書きしていたが終わってしまった!)秋季大会とレース目白押しでシーズンオフ感はないのですが笑(と言ってたら全部終わってしまった!!!?!)

…ええ、このブログを書き始めたのは9月のインカレ直後、そして今大晦日です。このブログはどうしても妥協したくなく、ここまで引きずってしまいました。(ブログ担当のスタッフさん、本当に申し訳ありません。)

トレーニングオブトレーニングの冬が始まりすでに中盤です。インカレは残り1回。京大ボート部で日本一という目標に辿り着けるか否かの勝負の1年に身が引き締まる思いです。

今回はこのシーズンを終えて、そして昨シーズンを振り返って常に私の支えとなってきた「憧れ」についてお話ししたいと思います。

昨シーズン、全日本選手権からインカレまでW4xを組みました。久々の京大女子対校4x、いくつもの幸運が重なって組めたクルーでした。大袈裟に聞こえるかも知れませんが、私はこの世代に生まれてよかったと思います。このクォドがあったから、ボートをこんなにも好きで、漕ぎたいと思っている今の私がある。あのクォドが今も私を強くしている。迷いなくそう断言できるほど2024W4x愛宕は大きな存在です。

クルーメイトは吉田紘子さん(当時M1、以下同じ)、原万生さん(4)、鈴木小晴さん(3)。漕歴は自分の倍以上の偉大な先輩ばかりでした。言うまでもなく全員自分より上手かったです。今船がどうなっているのか、どうすればもっと速くなるのかについての感度も高い。私は良いか悪いかくらいしか分からない。その実力差は歴然で、常に艇速の下限を自分が作ってしまっているように感じていました。もちろんクルーがそういう雰囲気だったなんてことはなく、むしろ私の実力を買ってくれていました。ただ私にとってはあまりにも圧倒的な違いが存在し、愕然とさせられる日々でした。何が何だか分からなくなって泣き出してしまったこともあります(その節は大変ご迷惑をおかけしました…)。ただただ速くなりたいと思いました。

そうこうしているうちに——当時は長く感じたのですが——あっという間に走り抜けたインカレ。A決勝へは惜しくも届かず、B決勝1着全体7位にて幕を閉じました。悔しくて悔しくて悔しくて、今でも悔しいです。同じクォドはもう組めない。もっと私が速ければ、もっと私が上手ければと何千回も思いました。だからこそ、このクルーの一員だった私がA決勝進出を成し遂げなければならないとも思いました。

あれから1年。3年間対校を担った紘子さんはらまおさんは正真正銘の引退。京大女子部の一時代が終わり、少しずつ、当時はついていくのに必死になるあまり気付くことのできなかったものを私はたくさん受け取っていたのだと身に沁みていく1年でした。

紘子さん。艇に対する感覚が鋭く、言語化能力が卓越している方でした。何も感じ取れない私に一つ一つ丁寧に感覚を教えてくれました。感覚の鈍い私を相手にするのは本当に骨の折れることだったと思います。院生という非常に忙しい身でありながら、エルゴ、水上でのテク練モーションにも付き合ってくださり、最後の最後まで私を上手くしようと尽力してくれました。未経験の漕手でありながらその領域まで辿り着き、アスリートの風格を纏う紘子さんは入部当初から私の目標でした。

はらまおさん。女子部の圧倒的エースでした。パワー、スピード、ストイックさ。持ち合わせるのは強さだけでなく、春ダブルを組んだ時初めて先輩と対等に組むクルーに緊張する私に、謎の絡みを交えて親しみやすく接してくれました。本当に楽しかったです。クォドに4人で乗れない時はダブルに乗って感覚の補完をしてくれました。いつも私の先にいて、うまくいかないときも揺るぎない強さを持っていて、この人についていきたいと思わせてくれる人でした。

小晴さん。とても綺麗な漕ぎをする人でした。しなやかで無駄のない漕ぎは1xで最も本領を発揮し、昨年春の選考1xTTではエルゴでつけた差を大きく縮められました。見せつけられた水上技術の差に感じた悔しさはまだ忘れていません。ふわりとした雰囲気をまといながら時にあらわになるストイック。それが小晴さんの強さの源だったのだと思います。美しいのはフォームばかりでなく、その優しさに何度助けられたことでしょう。この人がいると安心する、そんな存在でした。

クルーというのは非常に距離が近いです。入部当初からはらまおさん紘子さんによる対校2x美山は私の憧れでしたが、外からかっこいいなあと眺めているのと、一緒に同じ艇を進めるクルーになるというのはわけが違いました。艇の進め方、漕ぎの感覚、レースへの本気さ、それゆえの苦悩。憧れて見ているだけでは分からなかったたくさんのことを教えていただきましたし、学ばせてもらいました。本当に心から感謝しています。こんな文章じゃ到底伝えきれないほど、たくさんのものを受け取りました。

今シーズン1xで戦って格上の存在に引き上げてもらえることの幸運を、幸せを、より鮮明に感じます。それが憧れの存在であるなら尚更。だからこそあのクォドで受け取ったものを私のレースで証明したかった。今シーズンのインカレ、1xで果たしたA決勝進出は言うまでもなく私だけのものではありません。A決勝への思いと道筋は、あのクォドが私に繋いでくれたものでした。

紘子さんはらまおさん小晴さん、本当にありがとうございました。あの日々はしんどくて、きつくて、だけど楽しくて、充実していて、最高に幸せでした。皆さんのおかげで今ボートが楽しくて、本気で勝利に向き合えています。今でも私の先にある光として私を支えてくれている存在です。何度伝えても足りないほど、本当に感謝しています。

2024シーズン女子部のテーマだった「強い大艇を組む」、そしてチームとして強くなる。当時はしっくりこなかったこの目標の意味が今は私なりに腑に落ちています。大艇を——クルーを——組むということは、このバトンが繋がれることなのだと。

引退まで残り1年。憧れの先輩方から受け取ったこのバトンを私も繋ぎたい。

私は器用じゃありません。周りを気にかけるのは上手じゃないし、やれるだけやっても人並み以下です。そういう意味ではいい先輩になれないかもしれません。

だけど、だからこそ、私は本気でインカレ優勝を目指す。

その背中でしか伝えられないものがあるから。

インカレ。Sはらまおさん、3石田、2紘子さん、B小晴さん。しんどそうだけどいい写真
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