いつも応援ありがとうございます。4回生になりました、漕手の二宮由紀子です。
満開の桜並木を見て、シーズンもいよいよ始まるのだなと痛感します。昨日2人の新入部員を迎え、なんとなく今年の京大ボート部に「流れ」を感じる毎日です。
今日は、OBOGの方々に向けて、朝日レガッタ・全日本選手権の出漕種目について報告します。単刀直入にいうと、私は後輩の住岡真穂(3回生)と一緒にダブルスカルで出漕します。
理由は2つあります。一つ目は、昨年のインカレ順位決定で悔いのないレースをしてしまったことです。満足のいくレースは、これまで自分がモチベーションとしてきた悔しさや承認欲求を綺麗さっぱり洗い流してくれました。しかしながら、自分にとってかなりハードルの高い目標を達成しただけに、その後のことは何も考えていませんでした。ボートが楽しいというモチベーションでは、昔のように追い込めません。
そこで、陸上競技時代に得た教訓を思い出しました。私は京都ユース800mの決勝、ラスト100mで2人を抜かし、3位で近畿ユース進出を決めます。これも悔いのないレースでした。このときのラスト100mの爽快感が忘れられないので、私は今でもスポーツをしています。私は賭けに出ます。「近畿ユース800mで準決勝に残ったら周りの反対を押し切り800mをやり続けるが、競歩で表彰台に乗ったら断固としてやりたくない競歩に転向する」と決めました。結果は800mが予選敗退、競歩が2位でした。結局、競歩に転向したことで800mでは見ることのできなかった世界を見ることができ、そこで味わった悔しい思いがボートへの原動力になりました。その次の春、私はこれまで5分を切れなかった1500mで4分41秒69のベストを出し、なかなか2分20秒を切れなかった800mも、グラウンドで2分17秒を出しました。たまには執着を捨てて違う方を選ぶのも大事だという教訓から、ダブルでの出漕が頭によぎりました。
もう一つの理由は、住岡の存在です。私は自分と同じ熱意を持つ人間が現れない限り、ずっとシングルをすると思っていました。最近の彼女は頭を下げたくなるほど一生懸命に取り組んでいます。そんな彼女を見ていて、自分も艇上スキルやそれ以外の点で彼女から学ぶことがあるのではないかと思いました。そのため、今回のダブルは教育ダブルではありません。対極の者同士が互いの良さを知ることで、自己を高めるためのものです。
以上になりましたが、現時点でダブルは非常に上手くいっています。これまでのクルーボートとは少し違うアプローチを試しながら練習に励んでいます。私達の艇を進める思いは一つであり、クルーボートの神髄に近づいてきている自信があります。
朝日レガッタ、全日本はじめ今後とも応援よろしくお願いいたします。
4回生漕手 二宮由紀子