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東大戦の魅力

こんにちは。2回生スタッフの渡辺です。

朝日レガッタが終わり、全日本選手権まであと1週間を切りました。僕は戸田には行けないのですが、インカレに向けて収穫を得られるよう、そして良い結果を出せるよう、瀬田から応援します。今週末にはクルー紹介の記事も上げる予定なので、そちらもぜひご覧ください。


さて、いきなりですが、京大ボート部の目標とは、一体何でしょうか。大学でボートに関わる人たちなら、皆同じでしょう。そう、「インカレ日本一」です。インカレで日本一を獲るために冬季の過酷な練習を乗り越え、インカレを見据えて今も練習を続けています。しかし、京大ボート部には、他の大学にはない、インカレに劣らず力を注ぐ大会があります。それが「東京大学・京都大学対校競漕大会」、通称「東大戦」です。京大ボート部のスタッフは皆いくつかの部門に配属されるのですが、僕は東大戦を運営する「東大戦部門」という部門に所属して活動しています。ということで、今回は、東大戦に焦点を当て、他の大会とは一味違ったその魅力をご紹介したいと思います!

まずそもそも、東大戦とはどんな大会なのか、あまり知らない方もいるかもしれません。東大戦とは、その名の通り、東京大学との対校戦です。今年で第70回を迎える、伝統のある大会です。インカレや全日本などは複数の大学・団体が出漕しレースをしますが、東大戦は東大との「一騎打ち」です。つまり、「勝つ」か「負ける」か、どちらかしかありません。勝つか負けるかしかないのだから、絶対勝ちたいに決まってますよね。勝利を掴むため、毎年この日のために必死に練習します。

3年前の東大戦。京大(奥)が東大(手前)に勝利しました。


京大が現在実施している対校戦、いわゆる一騎打ちの戦いは東大戦だけですが、他の大学でも行われています。有名なのは、毎年4月に隅田川で行われる、早稲田大学と慶應義塾大学の対校戦「早慶レガッタ」でしょうか。その他にも、東大は一橋大学と「東商戦」と呼ばれる対校戦を行っていますし、京大と同じ国公立大の名古屋大学と大阪大学は「名阪戦(阪名戦)」という対校戦をしています。しかし、東大戦には、これらの対校戦とは違う点があります。それは、「2回生同士の戦い」だということです。他の対校戦は、部の中で最も実力のある部員たち同士で戦うものがほとんどです。ですが、東大戦は、未熟で経験が浅い、これからそれぞれの部を背負っていくことになる2回生がクルーを組み、意地とプライドをかけて激突します。漕ぎの粗さや技術不足が見られることもありますが、その分若さゆえのパワフルな闘志が見る者を魅了します。インカレは毎年あるので何度も出ることができますが、東大戦はそうはいきません。3回生になると出られないので、一生に一度の戦いです。リベンジのチャンスはありません。だから、東大も京大も2回生一同団結して、死に物狂いで勝利を掴みに行くのです。

東大戦にかける思いは、現役部員だけのものではありません。東大戦当日は、両校のOBの方同士でOBレースも行われます。OBさんも、毎年この日のために練習を重ね、意地でも負けるまいと闘志を燃やしています。僕は立場上(詳しくは後述します)東大戦に関してOBさんと関わる機会が多いのですが、何年経っても熱い思いを持ち続けている方が多くいらっしゃることをひしひしと感じます。レースに出漕される方以外にも、毎年レースを観にたくさんの方が会場にいらっしゃいます。昨年も応援してくださる方々の熱気に圧倒されました。東大戦は、東大京大両校のボート部にとって、特別な意味合いを持つ大会なのだと感じました。

東大戦に勝ったからと言って、日本一の称号が得られるわけでも、賞金がもらえるわけでもありません。でも、東大との一生に一度の戦いに勝つ歓びは、他の何物にも代えがたいものだと思います。今年は6月23日(日)に戸田ボートコースにて行われます。3年ぶりの勝利へ、部員一同頑張りますので、その雄姿をぜひ観にいらしてください。お待ちしております。

昨年の東大戦での京大クルー。2回生はこの日からずっとリベンジに燃えています。


と、ここまで東大戦について書いてきましたが、皆さんはこの大会の裏側、ご存知ですか? 東大戦はインカレなどの公式戦とは異なり、学生が主体となって一から創り上げています。ここからは、伝統のある東大戦がどのように運営されているのか、ご紹介しようと思います…が、今回はこの辺でストップ。続きは近日公開、ということにしておきます。お楽しみに!

2回生スタッフ 渡辺 大賀