「実直に生きていると感じる」と言われました。手紙で、COX評価シートという名の。
COX評価シートとは、当部の舵手選考において使用されるアンケートであり、漕手が舵手のパフォーマンスを評価し、順位付けするものです。選考の方式は毎回全く同じではないのでその時々によって評価シートの位置付けや重さは異なりますが、コーチ陣はそれを一つの参考材料として選考を行います。
このCOX評価シートですが、選考が終わりクルーが決定すると各舵手に渡されます。すなわち、このCOX評価シートは各漕手から各舵手への一つのフィードバックであり、あるいは手紙なのです。ともするとフィードバックが薄くなってしまいがちな舵手にとって、この機会はとても貴重です。そうでなくとも、受験勉強において何よりもテストや模試の見直しが重要なように、特に真剣に挑んだ選考というものを踏まえたフィードバックはとても重要です。
冒頭で紹介した言葉は某部員からの評価シートに書かれていました。最近の舵手選考は生き方まで見られるようです。おそろしいことこの上ない。冗談は措いておいて、特に一回生(新2回生?)からは合宿所での生活について言及がいくつかあり、ここまで見られているのかと驚きました。私はあまり他人のことを気にしないので。後輩から言われる言葉はやはり重みがあり強く響きます。朝に挨拶をしてくれない、思い返せば、そうかもしれない。変わらなければ、変えなければ。
さて、ここではこれ以外のコメントについては紹介しませんが、コーチ陣によってこのような漕手の評価を含めた諸材料が総合的に判断され、私は対校に選出されました。いまはこわいです。とてもこわい。昨日はクルーが発表されたあとオフに入ったのですが、ラーメンを食べて、映画を見て、帰宅して、(選考を乗り切った自分への褒美として金麦ではなく)一番搾りを一本飲んで、すぐに寝ました。現実からは遠ざかっておきたかったのです。今日はそれではいけないと思い、Twitterでブログを書くと宣言し自分を縛ったうえで、COX評価シートで指摘された点をリストアップしてからこのブログを書きました。一度全てに目を通してわかったことですが、漕手は私が思っていた以上に私を信頼してくれていました。自分では自分のことをそんなにできた舵手だと思わないけれど、この信頼を壊すことは絶対にしたくないし、それに応えたい。そのためには、もっと―今までそうだったのか自分では確信できないけれど―「実直に」ボートに向き合っていかなければと感じています。
3回生舵手 菅井渉太