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530キロのライド

    こんにちは!2回生新米スタッフの佐成です。
 今回は題名の通り、僕が8月11日〜14日に自転車で京都の下宿から東京の実家まで帰省した旅の振り返りを書きたいと思います。かなり長文ですが、最後まで読んでいただけると幸いです。
 まずそもそもなぜこんなことをするに至ったのか理由は大きく2つありました。1つ目は自粛期間中にまだ漕手だった頃、自主練で自転車を漕ぐ機会が増え、自転車で遠出したい気持ちが強まったこと、2つ目は今年は夏休み前半に全体練習がなく、時間が有り余っていたので何か思い出に残るようなチャレンジングなことをしたいと思ったからです。
 とは言え京都から東京までは下道で500km超あり、そう簡単には走破できないだろうと言うことで、心配性なのもあり、事前に色々な物を購入してしまいました。サングラス、サイクルキャップ、パンツ、グローブ、deuterのリュック、輪行袋、空気入れ、替えチューブ、、、などなど準備だけで5万円ほどかかりました。
さて、前置きが長くなりましたが、これから自転車旅の振り返りをしていきます。


 
8/11(火)
 朝4時半に東海道の起点、三条大橋からスタートして名古屋駅を目指しました。最大の難所は鈴鹿山脈を越えて滋賀から三重に入るところで、今回の旅では国道421号線の石榑トンネルを通る山越えルートを選択しました。ちょうど山を登っている頃が10時頃で、日差しが強くなっていたので何度も熱中症になりかけては水分補給をして、やっとのことでトンネル入り口まで来ました。石榑トンネルは全長が4km以上あり歩道がかなり狭かったので、気をつけていても何度かバランスを崩して壁に擦ってしまい、やっとの思いでトンネルを出たときには白アンダーの至るところに真っ黒な汚れがついてしまい、少し萎えました。

石榑トンネルの入り口、このトンネルが長すぎた。

 

 気を取り直して山道を下っていると、パカパカと不穏な音がしていましたが、そのまま気にせず麓まで降りて平地を走っていると、今度は明らかに空気が抜けているのがわかりました。名古屋まで残り40キロ、ここに来てパンクか…と少し気を落としつつも、初パンク修理に取り掛かりました。慣れたら10分くらいで終わると聞いていましたが、実際は炎天下の中、試行錯誤の末90分ほどかかってしまいました。その後は昼食を取り、木曽三川を越え、愛知県に入りました。17時頃に名古屋駅前に着いたときは、そびえ立つ駅ビルを目の前に達成感がかなり大きかったです。

名古屋の駅ビルに圧倒された。

 

 その後7月にできたばかりのアパホテルにチェックインし、シャワーを浴びました。近くのサイクルベースあさひで自転車を点検してもらった後、夕飯には名物のきしめんを食べました。冷たい汁が疲れた体に染み渡りました。アパホテルには幸い大浴場もついていたので山越えで溜まった疲れを取り、翌日に向けて英気を養いました。

名古屋名物のきしめん。さっぱりした味が最高だった。

 

8/12(水)
 2日目は名古屋から静岡までの約190キロのライドで、難所は少ないものの、4日間で1番長く、体力的にもしんどい行程でした。出発時間は午前6時頃で、日が高くなる前にできるだけ距離を稼ごうと漕ぎ進めましたが、約100キロ地点の浜松に着いたころにはすでに14時を回っていました。そこで昼時の混雑のピークを過ぎた有名ハンバーグチェーン店、さわやかでチキンステーキを食べました。
 浜松から静岡までの約90キロはひたすら長く、掛川の先、茶畑で有名な金谷の峠を超えて、大井川を渡り切るまでは、本当に日が変わるまでに静岡駅まで辿り着けるのか不安でいっぱいでした。島田市から藤枝市に入るころにはすでに日が沈み、見通しは悪かったものの、何度も現れる案内標識を頼りに、静岡までの残りの距離がじわじわと減っているのを感じ取っていました。

金谷峠の茶畑。人通りも全くなく、少し寂しいかんじがした。

 

 やっとの思いで静岡駅に着いたときには、すでに21時を回っており、疲労と空腹に苛まれながらも、予約したアパ系列のビジネスホテルにチェックインしました。部屋に荷物を置いた後、直行で駅前の吉野家に入り、麦とろ牛丼の超特盛を駆け込みました。それまでに自分が食べた吉野家の牛丼史上で1番美味しかったです。

麦とろ牛丼とあさり汁お新香セット。空腹のピークで桁違いに美味しかった。

 

8/13(木)
 前日の就寝時刻が遅く、初日、2日目で溜まった疲れも一入だったので、3日目は10時半過ぎに静岡駅前を出て、「無理せず行ける所まで」の心づもりで漕ぎ始めました。清水区の興津までは順調だったものの、自動車専用道路の迂回のためにGoodMapで調べた歩行者ルートに従ったのが運の尽きでした。というのも、あまり整備されていない細く曲がりくねった旧東海道の峠道をクロスバイクを担いで登る羽目になり、かと言って登り始めた手前、引き返すわけにもいかず、獲得標高約100mの峠の頂を汗だくになりながら目指しました。ここでかなり体力を消耗してしまいましたが、薩埵峠の頂から拝む太平洋の景色を目の前にして「まだ行けるぞ」という思いがどこからともなく湧いてきました。

薩埵峠の頂から拝む太平洋。

 

 無事に峠を下り切って静岡市を抜けた後、富士市の丸亀製麺で昼食を済ませました。この時が16時手前だったので、当初は沼津市、三島市の平坦な道を漕ぎ進め、鷹ノ巣山を越えて、順調に行けば熱海駅前に19時前には着く予定でした。しかし三島市を抜けて県道11号に入った矢先、思わぬ事故が起きました。疲れからか鷹ノ巣山の登りの歩道でチャッターバー(道路にたまにある細長い出っ張り)につまずいて転倒し、右上の前歯が欠けてしまったのです。不幸中の幸いで、前歯の他には上唇と右手の甲を少し擦り剥いた程度で済みましたが、やはり精神的なダメージの方は大きく、涙をこらえながら、道に落ちた歯の欠片をティッシュに拾い集め、ポケットにしまいました。

日没時の鷹ノ巣山トンネル手前で思わずパシャリ。奥には富士山が見える。

 

 峠を越えて熱海駅周辺の歯医者で診てもらおうと、気持ちを立て直して先を急ぎましたが、温泉街に降りた時はすでに20時手前で、お盆休みだったのもあり、歯医者が閉まっていたので、仕方なくそのまま当日予約した駅近くのゲストハウスにチェックインしました。ありがたいことにこの宿にも温泉があったので、湯船に浸かり、3日間で体に蓄積された疲れを取りました。体の芯から温まって最高に気持ち良かったです。夜ご飯は歯痛で固形物が食べられなかったので、オレンジジュースで食パンをふやかしながら食べました。深夜1時過ぎ、欠けた歯のことを憂いながらも、眠りにつきました。

ゲストハウスの屋上からの1枚。夜景が予想以上に綺麗で感動した。

 

8/14(金)
 最終日の朝は9時過ぎに起き、荷物をまとめて宿を経ったのが10時頃で、駅のコンビニで栄養ゼリーとリンゴジュースを流し込んだ後、国道135号に入り、国1と合流する小田原市の早川口を目指しました。早川に着いたのが正午過ぎでその後は1号線沿いをひた走り、50キロ強先の横浜まで来た時にはすでに16時頃でした。
 横浜からは国道15号を北東に進み、多摩川を越えてついに東京都に入りました。都心の大通りは道幅が広いため走りやすかったものの、その分歩行者も交通量も増えており、それまで以上に事故らないように気をつけながら漕ぎ進め、何とか実家に辿り着くことができました。
 やはり実家を目の前にしたときの安心感と達成感は言葉にできないくらい半端なかったです。

ついに東京都や!とテンションが上がった。

 

総括
 今回の旅では、事前の準備に万全を期して臨んだつもりだったものの、それでも予期せぬトラブルやハプニングが何度も起こり、結果としてロングライドの大変さを身をもって学ぶことになりました。また、当初の目的だった夏休みの思い出作りの意味でも最高の思い出になったと思います。

長くなりましたが、以上で自転車旅の振り返りを終わりたいと思います。最後まで読んでいただきありがとうございました。

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