コンテンツへスキップ

裏側と想像力

最近実家から美味しいりんごが届いて毎日1個以上食べるのがコンスタントになっています。贅沢なもんですね。こんばんは、果物が美味しい福島県出身、2回生スタッフの長谷川笑美です。

さて、東大戦が目前に迫っているのに別の大会を取り上げるのもどうなん?という気持ちがしなくもないですが、今年のインカレでは渡月(M2-)が優勝しましたね!改めておめでとうございます。後になってしみじみと「日本一」という称号の厳かな存在感に気づかされる今日この頃です。
スタッフは例年2回生で各遠征の主担当を務めますが、私はこのインカレの担当でした。それまで私は特に京大ボート部で大した責任も負ったことはなかったので、最も大切な大会のひとつであるインカレ準備の手強さの前に、私はなんとも頼りない遠征担当だった気がします。特に出漕申込・出漕変更の際は、ここで何かやらかして大会出場が危ぶまれたりなどしたらもう私は前主将に末代まで呪われるか殺されるかだな、と怯えていたものです。
しかしたくさんの人に支えられて結果的には何とか大きなハプニングなくインカレは終わり(パンフレットに屈強なエイトらを出現させてしまいましたが…反省してます)、歴史的な勝利も目の当たりにできました。最後の積み下ろしが終わったとき、やっと肩から力が抜けたような感じがありました。

インカレの遠征担当をして感じたのは物事の裏側の大変さです。インカレはもちろん選手が主役なのでスタッフは裏側に回ります。裏側は手続き、確認、手配などやらなければならないことや気を回さなければならないことばかりで正直面倒ごとばかりです。例えば修学旅行を計画する旅行会社の人や学校の先生、中学高校の顧問の先生らの大変さを、実感を伴いつつ想像してしまいます。もちろん裏側というのはどの視点から誰を主役として見るかというので変わると思うけれど。そしてふと思うのは、これまで自分は主役としてばかり立ち回っていたんだなということです。別にそれが悪かったというわけではなくて、何となく少しだけ別の世界の見方に気づけたという感じです。

思い出したくもないホテルバイトで一心不乱にディナー用のナフキンを折りたたんでいた時、この社会は確かに人間の手で動かされているんだなと感じたものです。ホテルでディナーの席に着いたときナフキンをはじめテーブルセットされているのは、私が畳んだナフキンを誰かがセットしたから。自転車で走っているこの道はだれかが整備した道で、この文章を打っているパソコンの裏側には設計した人、組み立てた人、運搬した人、販売した人など数えきれない人が時間を使っています。バイトもだけれど、インカレの準備はそういった裏側の世界に入った気がしました。

背景にどんな人が関わってきたのか、どれだけの時間をかけてきたのか、物事に対してそんな裏側のことを想像したら、否が応でも怒りも憎しみも消えて感謝や思いやりといった温かい気持ちが出てくる気がします。スタッフの職業病的なところでメールの書き出しはついつい「お世話になっております」「お疲れ様です」になってしまいますが、全人類の皆さんに「お世話になっております。」と言いたいくらいですね。笑

裏側への想像力を働かせることで精神の安定にも世界平和にもつながりますし、あわよくば京大ボート部が掲げる「日本一」にもつながるのかもしれません。主将は今年度に入って何度か「もっと想像力を働かせれば」という言葉を使いましたが、確かに個人がもっと裏側への関心と想像力を持ったらチームとしてもっと成長できる気がしてきました。私自身、いかなる時でも裏側への想像力を働かせられるような余裕を持った人間になりたいです。

インカレ準備の愚痴から最終的には世界平和まで、まとまりがなくなりましたがこの辺で終わります。読んでくださりありがとうございました。

そういえばもうすぐクリスマスですね~
サンタさん、クリスマスプレゼントには足蹴りしているエイトも追いかけられるくらいのたくましい船外機をください!笑
(写真はエイトを不機嫌な船外機で力の限り追ったときのもの@レイクサイド。もちろん置いてかれました。)

2回生スタッフ
長谷川笑美