1回生漕手(事実上)の安野恒喜と申します。
11月の部員総会にて、インカレで優勝するための2000mエルゴの目標タイムが提示されました。男子の場合、クルー平均はエイトで6分30秒、その他の種目で6分40秒必要だということでした。6分45秒を切らなければ論外らしいです。
私にとって、非常に厳しい目標です。現在のベストタイムは7分20秒です。過去の先輩のエルゴ記録を何度も見ましたが、7分20秒台からインカレで通用するレベルにまで成長した漕手は、ごくわずかしかいません。
私がインカレ優勝を目指すならば、誰も経験したことのないような勢いで成長しなければなりません。6分45秒を切り、さらに6分40秒や6分30秒の壁を破るためにはどうすればいいのか、いつも考えています。
エルゴは、肉体だけでなく、精神への負担も大きいトレーニング器具です。エルゴそのものを楽しむための方法を探し、VR(バーチャルリアリティー)を活用することを思いつきました。
エルゴとVRを接続させた機器が、福岡市のジムに存在します。DREAM FITという店名です。日本では、そこにしか置いてありません。
長期オフを利用し、そのジムを訪れてVRエルゴを体験しました。
エルゴはVR専用の特別な仕様になっているわけでなく、合宿所にあるのと同じものを使用し、それにパソコンやゴーグルなどの機器を接続していました。
ゴーグルを装着すると、古代バビロンや南極大陸、南の島などの景色が表示されます。エルゴを引くと、あたかもその場所で漕いでいるかのように、景色が変化しました。
景色の変化を見るのが楽しいので、ついつい無理をして強くエルゴを引いてしまいました。10分間しかやりませんでしたが、バテてしまい、それ以上エルゴを引くことができなくなってしまいました。通常のエルゴでは、残りの距離や時間を見て「まだ終わらないのか」と思いながら引いていましたが、VRエルゴは、気がついたら距離や時間を消費している、という感覚でした。
このジムでは、エルゴの他にも、エアロバイクなど、VRを活用したトレーニング機器がたくさん置かれています。
私が試したところ、輪っかと反対方向に飛んでしまいました。体勢を直すよう何度も試みましたが、腕が疲れてきたので、やめてしまいました。イカロスには、腕で体重を支えるため、上半身の筋力を鍛える効果があります。
過去に競艇選手が来店されたことがあり、イカロスのコツをすぐにつかまれたようです。さすがですね。
VR機器は、このジムに置いてあったモデルの場合、100万円もするらしいです。安価な他社のモデルを使用した場合でも、10万円かかるらしいです。
個人で購入するには、苦労して貯金する必要があります。京都や大津でVRエルゴを扱うジムの開店を待つのみかもしれません。
福岡市のDREAM FITでは、VRの付いたトレーニング機器を複数台購入するのに2000万円もかかったそうです。オーナーの方には、感心するばかりです。
VRに限らず、エルゴを速く引けるようになる方法を模索しています。どうにかして、全国優勝に手の届く範囲にまでエルゴを回せるようになりたいものです。
安野恒喜